【要点のまとめ】《テキスト第23章》コンプライアンスと倫理 - 「産業カウンセラー」資格試験の情報をまとめていく

2023年5月3日水曜日

【要点のまとめ】《テキスト第23章》コンプライアンスと倫理

産業カウンセラー養成講座テキスト第23章「コンプライアンスと倫理」の要点まとめとなります。

この章は、産業カウンセラーが社会的な役割を担う上で必要となるコンプライアンスについての内容となります。

短い章となりますが、産業カウンセラー倫理綱領にも繋がる大切な内容となりますので、資料の倫理綱領も含めてテキストの通読をお勧めします。


01 コンプライアンスという用語は、狭義には法令遵守を意味しているが、広義には法律に抵触しなければそれで良しとするのではなく社会で広く是認されているモラルを守ることまで含めて用いられる。

02 コンプライアンスは、法令・モラルを、個人と組織に対する外からの社会的規制であると考える。

03 倫理とは、個人、組織を問わず内発的であることにその特性がある。

04 倫理は、個人あるいは組織が社会と共生していくために、社会に対して自ら示す規範である。

05 コンプライアンスとして、産業カウンセラーが遵守すべき事項の中核となるのは、①守秘義務・プライバシーの保護・個人情報管理、②産業カウンセラー業務に関係する法令、の2つである。

06 守秘義務は、業務上あるいは職務上知り得た秘密を他に漏らさないようにすることである。

07 労働安全衛生法第105条で、健康診断、ストレスチェック、面接指導の実施の事務に従事した者は、その実施に関して知り得た労働者の秘密を漏らしてはならないことを定めている。

08 守秘義務に関しては、刑事罰を伴う法令上の規定とは別に、契約に基づく民事上の守秘義務がある。

09 産業カウンセラー倫理綱領では、企業・団体などの関係者との信頼関係確立のため、職務上知ることのできた秘密を正当な理由なく漏らしてはならないと規定している。

10 秘密を漏らすことの正当な理由は、クライエントに自傷・他害のおそれがあることおよび重大な不正行為のおそれがあること、またはその危険を産業カウンセラーが感じた場合があげられている。

11 OECD(経済協力開発機構)は、1980年に「プライバシー保護と個人データの国際流通についてのガイドライン」に関する勧告を行なった。

12 個人情報の管理とは、「自己情報のコントロール権」を守るために必要な行為を明示し、それを実行することである。

13 日本では、2003年に「個人情報の保護に関する法律」が制定され、個人情報の保護に関する基本的な理念および民間事業者に対する規制が定められた。

14 「個人情報の保護に関する法律」の所管官庁は、「個人情報保護委員会」である。

15 個人情報保護法は、情報の収集・管理・使用に際して、本人の同意を得ることを重視し、個人情報管理の透明性の確保及び管理への各個人の積極的な関与を求めている。

16 産業カウンセラーは、クライエントに初期もしくは必要な段階において十分な説明をしたうえでの同意(インフォームド・コンセント)を得て、カウンセリングを進めなければならない。

17 二重関係あるいは多重関係は、両者の基本的な関係のあり方に大きな影響を与える。

18 職場の上司や友人などの二重関係においては、相談を受けることは構わないが、あくまで相談の範囲であり、カウンセリングマインドをもって話を聴くのであり、カウンセリングにしてはならない。

19 調整者としての立場の場合、既知であるクライエントの話と職場の管理監督者との話に、一致する部分と一致しない部分を明確化することをポイントにおいた話の聴き方が中立を維持するための具体的な方法となる。

20 職場組織に関わる産業カウンセラーは、相談担当者であると同時に職場の調整者でもある。

21 産業カウンセラーには、倫理綱領に従い、自己の受けた教育、訓練、職業経験などにもとづく労働者に対する支援能力を十分自覚し、その限界をわきまえて実践することが求められる。

22 eメールカウンセリング等のオンライン・カウンセリングは、現状においては、基本的には面接によるカウンセリングを補完するものと位置づけ、活用技術を十分に習得したうえで使用する。


MainMenu】「産業カウンセラー」資格試験の情報