【要点のまとめ】《テキスト第22章》キャリア形成への支援 - 「産業カウンセラー」資格試験の情報をまとめていく

2023年5月3日水曜日

【要点のまとめ】《テキスト第22章》キャリア形成への支援

産業カウンセラー養成講座テキスト第22章「キャリア形成への支援」の要点のまとめとなります。

「キャリア形成」は産業カウンセラーの3つの活動領域の1つとなります。

キャリア形成支援は古い歴史を持ちながらも、時代の変化に応じて新たな課題が発生するなどのため、支援に関する理論や方法についての知識を得る必要があります。

若干の人名も出現しますが、用語と合わせて理解するようにしましょう。


01 スーパーは、生涯キャリア発達の視点を強調し、人生役割の組み合わせによるライフキャリアの概念を示し、ライフキャリア・レインボウで表した。

02 ライフスパンを構成するライフステージは、成長・探索・確率・維持・衰退という5つの段階からなる。

03 キャリアとは、「生涯発達において変化する多様な役割の統合とその連鎖」と表現することができる。

04 「ライフキャリア」とは、生涯発達の視点を強調したキャリアとして用いられ、「ワークキャリア」とは、個人の職業生活を中心に労働者としての役割や職業能力の開発を考える視点から用いられる。

05 外的キャリアとは、一般的に社会で認知される組織内外の職業、職種、地位、等級、資格、経験年数、処遇などの外的基準で表現される側面をいう。

06 内的キャリアとは、自分にとって、働くことと生きることの意味、意義、価値などの実存的な側面を強調した概念をいう。

07 職業的発達を支援する職業指導は、個人が自己と職業に関する自己概念を発達させ、それを現実とのかかわりの中で受容しつつ、自己と社会の双方にとって望ましい形での実現を図るものであるとされる。

08 学校教育法では、キャリア教育について、職業についての基礎的な知識と技能、勤労を重んずる態度及び個性に応じて将来の進路を選択する能力を養うことととされる。

09 キャリアガイダンスの6分野とは、自己理解、職業理解、啓発的経験、カウンセリング、方策の実行、フォローアップをいう。

10 キャリア形成支援にあたっては、複数の視点、理論・技法を活用する統合的なカウンセリングを理解し、それを適切に実践できることが求められる。

11 マッチング理論は、個人の特性と職業の要件を結びつけることが職業選択であると考える理論であり、バーンズの職業指導の実践の中から生まれ、パターソンやウィリアムソンが発展させた実践的な理論である。

12 ジェラットの連続的意思決定モデルは、予測システム・価値システム・基準システムの3段階から成り立つ。

13 ジェラットは、不確実性を積極的に受け入れ、未来を創造する「積極的不確実性」の概念を提唱し、客観的で合理的な戦略だけでなく、主観的で直感的な戦略を統合することを組み込んだ新たな意思決定の枠組みを提示した。

14 ホランドに職業興味の6類型は、現実的、研究的、芸術的、社会的、企業的、慣習的の各領域のタイプを設けている。

15 社会学的構造理論は、人間と環境のうち、環境を重視する理論である。

16 機会遭遇理論は、社会学的構造理論の代表的なものであり、「個人であることを選択できるかどうかは、機会にであうかどうかである」と考える点に特徴がある。

17 クランボルツは、人間は学習によって変容し続ける存在であることを強調し、キャリア発達や職業選択は学習プロセルの結果であるととらえ、キャリア意思決定に関する「社会的学習理論」を提唱した。

18 キャリア発達や職業選択に関する意思決定の要因として、遺伝的な資質と特殊な能力、環境条件とできごと、学習経験、課題接近スキルの4つがあり、これらが相互に影響してキャリアが決定されるが、キャリアに関する意思決定は学習のプロセスであると考えられている。

19 クランボルツは、キャリアはさまざまな偶発的なできごとによって決定されるという「計画された偶発生」という概念を提唱した。

20 トランジション(移行・変化)を引き起こし、キャリア形成の力にするためには、①好奇心、②持続性、③楽観生、④柔軟性、⑤リスク・テイキングという5つのスキルが必要であるとされる。

21 ハンセンは、「統合的な人生設計」という考え方を提唱し、キャリアカウンセリングの役割を、単なる適職選択や就職問題だけでなく、生涯継続する職業生活に関する問題、さらに職業生活以外の生活領域における多様な役割の問題といった生涯キャリア発達についての全般的なプランニングの支援とした。

22 シュロスバーグは、キャリアの転機に「予測していた転機」「予測していなかった転機」「期待していたものが起こらなかった転機」の3つのタイプに区分した。

23 転機に対処するには、状況(situation)、自分(self)、周囲の支援(support)、戦略(strategies)という4つの資源(4S)を確認し、活用できる資源と脆弱な資源を明らかにしつつ、4Sを強化していくことがキャリア発達であるとしている。

24 シャインは、組織内キャリアの発達段階説を提唱し、キャリア発達の段階が進むほど、この調和が図られると考えた。

25 組織の効率を高めるとともに、個人の満足を高めるには、両者の要求を調和させることが必要である。

26 キャリア・ダイナミクスとは、個人と組織との相互作用を呼ぶ。

27 キャリア・アンカーとは、個人の組織内のキャリアの方向性を規定するものを呼ぶ。

28 シャインは、キャリア・アンカーのタイプとして、①特定専門分野/職能別コンピテンス、②全般管理コンピテンス、③自立/独立(自由)、④保障/安定、⑤起業家的創造性の5つを提唱し、後に、⑥純粋な挑戦、⑦奉仕/社会献身、⑧生活様式の3つを加えて8タイプとした。

29 キャリアコンサルティングにおける「職業理解の支援」とは、個人が進路や職業、キャリアルートの種類と内容を理解するように支援することをいう。

30 キャリアコンサルティングにおける「自己理解の支援」とは、個人が進路や職業、キャリア形成に関し、「自分自身」を理解するよう支援することをいう。

31 キャリアコンサルティングにおける「啓発的経験」とは、個人が選択や意思決定をする前に、探索的に体験してみることを支援することをいう。

32 キャリアコンサルティングにおける「カウンセリング」とは、キャリアに関するカウンセリングを行い、キャリアの選択、意思決定、方策の実行の支援を行うことをいう。

33 キャリアコンサルティングにおける「方策の実行」とは、進学、就職、転職などのキャリア・ルートの変更、退職などの意思決定したことの実行を、援助することをいう。

34 キャリアコンサルティングにおける「フォローアップ・職場適応」とは、選択し、実行されたキャリアへの適応を支援することをいう。

35 ジョブ・カードとは、生涯を通じたキャリア・プランニングと職業能力説明の機能を担うツールであり、厚生労働省「ジョブ・カード制度総合サイト」に詳細な説明がある。

36 システマティック・アプローチとは、カウンセリングのプロセスについて、カウンセラーの具体的な行動を分析し、それをカウンセラーに必要な行動の単位(モジュール)として示すものである。

37 システマティック・アプローチにおける「カウンセリング関係づくり」とは、信頼関係を樹立する段階であり、特に、最初の2〜3分でその後のカウンセリングを決めると言われるほど、この最初の時点が重要である。

38 システマティック・アプローチにおける「問題の把握」とは、来談の目的や、何が問題なのかを明確にし、それをカウンセラーとクライエントが相互に確認し、その問題解決のためにクライエントが行動する意思を確認する段階である。

39 システマティック・アプローチにおける「目標の決定」においては、カウンセラー以外の専門家の支援を求めた方が良い場合もある。その際には、クライエントがその意味を理解し、自己決定し、コミットできるように支援することが必要である。

40 システマティック・アプローチにおける「方策の実行」においては、他の専門家や機関の支援を得る必要もあることに留意する。

41 システマティック・アプローチにおいて「カウンセリングの成果の評価」をすることは、クライエントが進歩していることを明らかにし、クライエントを勇気づけるためであり、カウンセリングの今後の方針、すなわち終結か継続かを決めるためである。


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