産業カウンセラー養成講座における提出課題の中で、私が最も時間を要した課題が「逐語記録」の提出です。
逐語記録の課題の内容をいたってシンプルです。
養成講座の中で、2回、連続して同じカウンセラーとクライエントで、20分のカウンセリングを行います。
そのカウンセリングの内容を録音しておき、一言一句、あいづちやため息も含めて全てを文字に起こします。
(うん)や(はい)、(そうそう)など、相槌も全て記録します。
起こした逐語記録は提出を行うほか、メンバー間での検討も実施します。
逐語記録を行うの目的は、ずばり、「カウンセリング能力を高めること」です。
自らの逐語を聞き、書き起こすことで、自分の応答のクセなどを客観的に捉えることができます。
実際に行ってみた感想として、確かに、逐語記録の作成は、能力向上の効果があると思います。
自分を「じっくりと」客観的に見直す機会というのはなかなかないので、非常に貴重な経験となりました。
あえて「じっくりと」と書いたのは、
正直、逐語記録の課題は養成講座の課題の中で最も大変です。
会議の文字起こしを行なったことがある方ならお分かりかもしれませんが、普通に文字起こしをしても録音した時間の少なくとも2倍の時間はかかると思います。
逐語記録は、概略を起こせばよいというわけではなく、「一言一句」「あいづちやためいき」まで全てを起こす必要があります。
(起こし漏れがある場合には評価が下がる可能性があります。)
逐語記録の作成の助けとして、私は、MP3ファイルをスロー再生できるアプリを使用しました。
1/2倍速で繰り返し聞き取りながら文字起こしをしました。
気をつけなければならないのは、逐語記録のファイルを必ず「オフライン環境」で使用する必要があることです。
オンライン環境では個人情報が漏れてしまう可能性があります。
講座における録音ファイルはSDカードで受け取るので、私はオフライン端末に一時的に移して作業を行っていました。
作業時間は20分の文字起こしに、2時間以上かかったと思います。
作業時間の確保には留意してください。
さらに逐語記録の課題においては、振り返り(分析)も非常に重要な要素です。
応答を聞き取り、まずはクライエントの発言について、気づいたことを書き起こします。
特に「気持ち」に焦点をあてて、書き起こし、気持ちが聞き取れたらその受け止めや応答ができていたのかどうか。
カウンセラーとして「できていたこと」「できていなかったこと」を書き起こし、出来ていなかったことについては、「今ならばどう答えるか」を補完していきます。
これらのことに加えて、自分の「クセ」に気づいたらその点を補完するのも良いかもしれません。
逐語記録の課題には「評価」が付されます。
各課題の「評価」は実技試験免除に影響している可能性がある(はっきりしたことは分かりませんが)ので、細かなところまでしっかりと聞き取って、逐語を作成しましょう。