【要点のまとめ】《テキスト第13章》精神医学の基本 - 「産業カウンセラー」資格試験の情報をまとめていく

2022年11月5日土曜日

【要点のまとめ】《テキスト第13章》精神医学の基本

産業カウンセラー養成講座テキスト第13章精神医学の基本のまとめとなります。

カウンセリングを行う場合、精神医学についての基礎知識が不可欠となります。

メンタルヘルスが不調の場合、カウンセリングで対応できる状況なのか否かの判断が必要になり、それを見誤ってカウンセリングを続けることはカウンセラーにとってもクライエントにとっても良い状態とはならない可能性が高いです。

この章については、特に、問題と解くというよりは、良く読んで、内容を理解した方が良いかと思います。





01 相談者のプライバシー保護の原則として、相談者に関する情報を職場に知らせる決定権は、医師やカウンセラーにあるのではなく相談者側にある。

02 相談者のプライバシー保護の原則について、職種・職場によっては、公的利益や安全が優先される場合もある。

03 自分が病気であると自覚できることを「病識」、何となく自分が病気であると感じられ ることを「病感」といい、精神科領域では、一般的に病気が重くなるほど「病識」が 失われ、よくなるにつれて「病感」が出てくる。

04 メンタルな問題が疑われた際は、「事例性」と「疾病性」の2つに分けて考えていくと 理解しやすい。

05 職場では、病気の確定(疾病性)以上に、業務上何が問題となって困っているか(事例性)を優先する視点が求められる。

06 「キュア(治療)」とは、手術をしたり投薬するなどの医療行為に類するもの、「ケア (癒し)」は、疾病レベルに達していない問題や悩みにカウンセリングなどの技法を通してアプローチを図るものである。

07 差別や偏見の問題に対しては、職場での啓発普及活動が重要となる。

08 サバイバーズ・ギルトとは、大規模災害などで生還できた人のもつ罪の意識を呼ぶ。

09 「寛解」とは、精神科領域において、病気はもっているかもしれないが、就労には問題がないと診断される状態をいい、いわゆる「完治」「治癒」での職場復帰とはかぎらない。

10 就業規則に基づく休業処置では、その最長期間、休業中の補償、休業後の措置、職場復帰判定の流れなどをカウンセラーや人事労務担当者から本人・家族に告知・説明するのが原則であり、口頭だけでなく文書による説明が望ましい。

11 職場復帰の条件や復帰後の就業場所・就業内容といった細かい内容に関する本人と職場側との協議は、原則的には精神科主治医から職場復帰が可能という見解が示された時点で開始されることが望ましい。

12 最終的に職場復帰が可能と判断する目安は、①医学的に就業に耐える状態である。②本人が職場復帰の意思がありそのための準備を行なっている。③職場側も職場復帰を受け入れる準備がある。の3点があげられる。

13 精神の異常性については、その国の文化、民族性、歴史、生活習慣、宗教などによって判断基準が微妙に変わる。

14 カウンセラーの立場では、精神医学的な異常性・正常性の判断を求められるのではなく、実際にどういう状況にあれば、精神医学的援助が必要かを判断することが要求される。

15 その時々の状況に即した感情が表出できることも「異常性」を判断する大切なポイントである。

16 精神障害とは、メンタルな面で障害や不便がある状態を指す一方、精神疾患とは、一連の精神症状を1つの病気としてまとめた状態と理解できる。

17 精神科診断分類は、世界保健機構(WHO)のICDとアメリカ精神医学会(APA))のDSMの2つの大きな流れがある。

18 薬物療法で病状が落ち着いてきた時点で、社会参加・社会復帰をめざした様々な精神科リハビリテーションが必要となる。

19 「うつ状態」もしくは「抑うつ状態」は病態を示す医学用語で、過度に「落ち込んだ」 状態を指す。

20 選択的セロトニン再取込み阻害薬(SSRI)やセロトニン・ノルアドレナリン再取込み阻害薬(SNRI)などが治療に多大な効果をもたらしたことから、セロトニンはうつ病にもっとも関係する生体アミン系神経伝達物質であると考えられる。

21 うつ病の代表的な症状が、抑うつ感、非哀感、不安感、意欲低下などで、1日のうちでも気分の波(日内変動)があり、一般的に午前中の気分がよくない。

22 「昇進うつ病」は、責任範囲の増加、仕事の質が高まることへの不安や自信のなさから生じる。

23 「荷下ろしうつ病」は、大きなプロジェクトが終了した後や定年前後や子離れ時期が、うつ状態に陥る危ない時期と考えられる。

24 「燃え尽き症候群」は、元来は人一倍活発に仕事をしていた人が、何らかのきっかけで、無気力、抑うつ、落ち着きのなさといった抑うつ状態に陥ることをいう。

25 「仮面うつ病」は、身体症状が強く表れて、抑うつ症状が目立たないうつ病をいう。

26 抗うつ状態への気づきとは、言葉ではうまく表現できなくとも「何かが変わった」と感じる感情である。

27 うつ病・双極性障害の治療の中心は、十分な休養と薬物療法である。積極的なカウンセリングや心理面接は、かえって患者の負担になる場合があるので注意を要する。

28 統合失調症は、一般人口の 0.7∼0.9%に出現するといわれ、多様で特異な病像を示し、しばしば慢性の経過をたどり、適切な対応がなされないと、無気力、感情の平板 化、会話量と内容の貧困化などの人格変化を残すことがある。

29 統合失調症の症状は、学校の成績が下がる、外に出たがらない、周囲の目を気にする、だらしなくなるなど、思春期によく出現する現象であり、その識別は慎重を要する。

30 統合失調症の治療は、非定型型抗精神病薬の発達がめざましく、薬での治療が中心で、入院治療の必要性は低下している。

31 全般性不安障害(GAD)とは、漠然とした不安が中心となり、6か月以上継続するものをいう。

32 パニック障害は、動悸や過呼吸などの予期できぬ出現と、発作の再度の出現を不安に感じる予期不安が特徴的である。

33 社交不安障害(SAD)とは、社会的な場面で不安や恐怖を過大に感じることにより社会生活への支障が生じてしまう疾患をいう。

34 強迫性障害は、不合理だと理解しながらも、意思に反して1つの観念が頭にこびりついて離れない症状に悩まされ、その考えを振り払おうと強迫症状(確認行為)が出現する。

35 急性ストレス障害とは、極端な外傷的な出来事(トラウマ)を体験した直後の精神医学的な障害を呼び、一定以上持続する場合は、心的外傷後ストレス障害(PTSD)と診断が移行される。

36 心気障害(心気症)は、自分が重篤な病気にかかっているという恐怖やとらわれをもち、多くはドクターショッピングの傾向が認められる。

37 心身症とは、胃潰瘍、過敏性腸症候群など、精神的ストレスを基盤として発症する身体疾患をいう。

38 多彩な身体症状を訴える心気症と比較して、1つの器官に固定し、かつ訴えが特定されることが心身症の特徴である。

39 アルコール依存症になると、頻回にブラックアウト(飲酒時の記憶の欠如)を経験する。

40 アルコール依存症の治療は、節酒ではなく、断酒(一生1滴も飲まない)が原則となる。

41 てんかんは、種々の原因による慢性の脳障害で、神経細胞の過剰活動に由来する反復発作を特徴とする。

42 てんかんは、抗てんかん薬の規則的服用によって発作はかなりコントロールできるが、発作出現の誘因となる睡眠不足などに影響されるので、職場での生活指導も大切である。

43 発達障害とは、主に先天性の脳機能障害があり、それにより乳幼児期から生じる発達の遅れをいう。

44 自閉症スペクトラム障害の特徴は、①複数の状況で社会的コミュニケーションおよび対人的相互反応における持続的な欠陥、②行動、興味、または活動の限定された反復的な様式(こだわり)の両者をもつ者、と定義されている。

45 注意欠如・多動性障害(ADHD)の特徴は、①不注意、②多動性および衝動性であり、②は成⻑の段階で目立たなくなるため、職域では①により支障が生じる。

46 発達障害者支援法は、それぞれの障害特性やライフステージに応じた支援を、国・自治体・国民の責務として定めた法律である。

47 措置入院は、自傷他害のおそれのある事例に対し、2名以上の指定医の診察結果の一致により成立する。一番強制力のあるもので、警察官通報によるものが多い。

48 措置入院には、緊急避難的な制度として、72 時間を限度に指定医1名によるいわゆる緊急措置入院 がある。

49 医療保護入院は、1名以上の指定医の診察により入院が必要とされ、かつ本人の同意が得られない場合、家族等のうちいずれかの者の同意によって成立する。

50 応急入院は、指定医の診察により入院が必要と判断されるものの、本人の同意が得られず、かつ緊急を要し家族等のうちのいずれかの者の同意が得られない場合、72 時間以内にかぎって成立する。

51 任意入院は、本人の同意のうえでの入院をいう。

52 精神保健指定医は、5年以上診断または治療に従事し、3年以上精神障害の診断または治療に従事する者が、一定の条件を満たした場合に厚生労働大臣により指定される。

53 2013年(平成25年)の精神保健福祉法改正によって、これまでの保護者制度が廃止され、医療保護入院における入院手続き等の見直しが行われた。

54 2013年6月の障害者雇用促進法の改正により、雇用の分野における障害者に対する差別の禁止及び障害者が職場で働くにあたっての支障を改善するための措置(合理的配慮の提供義務)等が定められた。


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