【要点のまとめ】《テキスト第15章》コミュニケーションの基本 - 「産業カウンセラー」資格試験の情報をまとめていく

2023年1月8日日曜日

【要点のまとめ】《テキスト第15章》コミュニケーションの基本

産業カウンセラー養成講座テキスト第15章「コミュニケーションの基本」のまとめとなります。

コミュニケーションの基本では、人名こそ少ないものの、用語の種類が多く登場します。

第15章に登場するこれらの「用語」は、カウンセリングの実践においても重要なものであり、試験勉強を目的とするのみならず、養成講座受講中の方も通読の上で是非理解していただきたい内容になります。

観察者役に際して、コミュニケーションの基本について理解の上で観察し、フィードバックを行うことで、ご自身のカウンセリング能力も向上していくかもしれません。



01 チャンネルとは、送り手の発信したメッセージが、聴覚や視覚など、どの感覚器官を通して受け手に伝わるのかという伝達経路をいう。

02 コミュニケーション能力は、コミュニケーションを支える知識とスキルから成る。

03 メッセージとは、送り手の言葉(言語記号)と、表情・身振りなど(非言語記号)の総体をいう。

04 即時的返還反応(フィードバック)とは、送り手の発信したメッセージを受け手がどのように受け止めたかに関して、即時的に受けてから返還される特殊なメッセージである。

05 経験の場とは、コミュニケーションの当事者がこれまでにどのような経験をしてきたかを意味する。経験の場の重なりが大きいほど、コミュニケーションは円滑に進む可能性が高くなり、経験の場の重なりが小さいほど、コミュニケーションは失敗する可能性が高くなる。

06 対面的コミュニケーション能力を改善するためには、対面的コミュニケーションに関する知識とスキルの両方を高めなければならない。

07 対面的コミュニケーション・スキルには、①自己統制、②表現力、③読解力、④自己主張、⑤他者受容、⑥関係調整の6つのメインスキルがあり、各メインスキルにはそれぞれ4つのサブスキルを含む。

08 自己統制は、①欲求抑制、②感情統制、③道徳観念、④期待応諾の4つのサブスキルを含む。

09 表現力は、①言語表現、②身体表現、③表情表現、④情緒伝達の4つのサブスキルを含む。

10 解読力は、①言語理解、②身体理解、③表情理解、④情緒感受の4つのサブスキルを含む。

11 自己主張は、①支配性、②独立性、③柔軟性、④論理性の4つのサブスキルを含む。

12 他者受容は、①共感性、②友好性、③譲歩、④他者尊重の4つのサブスキルを含む。

13 関係調整は、①関係重視、②関係維持、③意見対立対処、④感情対立対処の4つのサブスキルを含む。

14 物理的ノイズとは、メッセージの伝達を妨害する騒音などをいう。

15 心理的ノイズとは、送り手のメッセージの記号化を妨害したり、受け手の記号解読を妨害したりする、性 格、価値観、先入観、偏見などがもたらす認知や思考の歪みをいう。

16 意味的ノイズとは、お互いが共通に理解していない表現や言葉のもたらす妨害をいう。

17 自己理解と他者理解を深めることが心理的ノイズを低減させる。

18 非言語的コミュニケーションには、①身体動作、②空間行動、③身体接触、④準言語の4つの非言語的行動が含まれる。

19 自己開示とは、「他者に対して自己に関する本当の情報を主に言語的コミュニケーションによって伝達すること」をいう。

20 自己開示には、個人的機能として、①感情浄化機能、②自己明確化機能、③社会的妥当化機能、対人的機能として、①二者関係の発展機能、②社会的コントロール機能、③親密感の調整機能がある。

21 不適切な自己開示には、あまり親しくない相手に内面的すぎる自己開示をしたり、自己開示のタイミングを間違えたりなど、その場面の規範と一致しない自己開示などがある。

22 自己呈示には、弁解、正当化、謝罪、セルフ・ハンディキャッピング、社会志向的行動などの防衛的自己呈示と、取り入り、自己宣伝、示範、威嚇、哀願などの主張的自己呈示がある。

23 自己呈示は、他者とうまくつきあっていくためのソーシャル・スキルでもある。

24 ジョハリの窓とは、自己に関する領域を、①開放領域(私と他者の双方が知っている私)、②隠蔽領域(自 分は知っているが他者は知らない私)、③盲点領域(自分が知らないのに他者が知って いる私)、④未知領域(自分と他者の双方が知らない私)の4つで示した図をいう

25 ジョハリの窓におけるクライエントの開放領域の拡大を支援することが産業カウンセラーの重要な役割の1つとなる。

26 ジョハリの窓におけるクライエントの開放領域の拡大を支援することが産業カウンセラーの重要な役割の1つとなる。

27 開放領域の拡大は、クライエントが隠蔽している自己に関する情報をクライエントに自己開示させることやクライエント自身が気づいていない自己に関する情報をクライエントに対してフィードバックすることで行われる。

28 一般的に、クライエントの開放領域が大きく、隠蔽領域と盲点領域が小さければ、産業カウンセリングは円滑に進む。

29 開放領域が大きくても表面的な人、隠蔽領域が小さくても自己中心的な人、盲点領域が小さくても用心深すぎる人については、カウンセリングが効率的に展開できない。

30 人間関係の発展段階は、①出会い、②実験、③関係強化、④統合、⑤結束の各段階に分けられる。

31 人間関係の崩壊段階は、①食い違い、②制限、③沈滞、④回避、⑤関係終結の各段階に分けられる。

32 説得は、「主に言語的コミュニケーションによって、納得させながら他者の態度や行動を特定の方向へと変化させる行為」である。

33 説得に成功するためには、メッセージを工夫しなければならない。説得する相手の能力・関心・立場などの特徴を分析し、相手の特徴に応じて、適したメッセージを使用すれば、送り手の説得力は高まる。

34 賞を求め、罰を回避したい受け手に対しては、統制力のある送り手が、最も大きい説得力をもち、追従という見かけだけの態度変化が生じる。

35 送り手と友好的な関係を形成・維持したい受け手に対しては、魅力的な送り手がもっとも大きい説得力をもち、送り手との同一視を通じて浅い態度変化が生じる。

36 メッセージの盛り上がりを後に置くのがクライマックス順序、先に置くのが反クライマックス順序である。受け手が関心を持っていない場合には、メッセージに関心をひきつけるために反クライマックス順序のほうが有効である。

37 段階的要請法とは、受け手が承諾しやすい小さな要請を承諾・実行してもらい、その後に大きい真の要請をすることをいう。

38 譲歩的要請法とは、最初にわざと受け手が承諾できないほど大きい要請をして断らせ、その後に直ちに小さい真の要請をすることをいう。

39 コンテクストとは、空間的、時間的、社会的要素を併せもつ概念であり、場面、文脈、状況といった意味合いを含む。

40 日本文化は同質性の高い文化であり、日本人のコミュニケーションは、多くの情報がコンテクストに組み込まれているので、高コンテクスト・コミュニケーションという。

41 すべての情報を組み込んだ、詳細で明確なメッセージだけが意味を伝えるコミュニケーションを、低コンテクスト・コミュニケーションという。


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