【要点のまとめ】《テキスト第20章》職場における人間関係開発・職場環境改善への支援 - 「産業カウンセラー」資格試験の情報をまとめていく

2023年4月23日日曜日

【要点のまとめ】《テキスト第20章》職場における人間関係開発・職場環境改善への支援

産業カウンセラー育成講座テキスト第20章「職場における人間関係開発・職場環境改善への支援」の要点のまとめとなります。

産業カウンセラーの3つの支援領域(メンタルヘルス対策・キャリア形成・本章)の1つとなる一方で、 メンタルヘルス対策やキャリア形成支援とは異なり身近に感じづらいテーマだと個人的には感じていました。

しかし、産業分野においては、職場における人間関係開発や職場環境の改善は、メンタルヘルス対策及びキャリア形成支援に密接に関わるため、産業カウンセラーの支援領域としては非常に重要な分野となると考えます。

やはりテキストを通読して、網羅的に理解することをお勧めします。


01 職場における人間関係は、構成する人々が心に抱く特定の感情、気分、意欲、意思、責任意識などと、それに基づく言動によって彩られる。

02 具体的な職場における人間関係は、上司・部下や同僚の間の公的・社会的関係であるが、そこには仕事上の役割関係(権限、職務)だけでなく、私的な関係も交じり合うことになり極めて複雑な様相を示す。

03 産業カウンセラーが教育訓練の支援を行う場合、①プランナー(企画・評価)、②コーディネーター(調整・まとめ)、③教授・指導・促進、の役割を担う。

04 コーディネーターは、運営全体のマネジメントをしたりする役割であり、組織側の人々から信頼されることが必要であり、全てを引き受けるのではなく、組織の側が主体的に判断し、取り組むことを促進する姿勢も必要である。

05 教授・指導・促進の役割には、講師(レクチャー)、指導者(インストラクター)、促進者(ファシリテーター)の側面があり、研修の効果を上げるには意識して役割を使い分ける必要がある。

06 教育訓練プログラムには、その組織が抱える人間関係上あるいはコミュニケーション上の具体的な問題や風土を調査し、担当者と十分協議する必要がある。

07 人間関係やコミュニケーションの教育訓練の場合、「どのような行動をとってほしいか」「何ができる様になってほしいか」といった、具体的な教育目標を設定することが重要となる。

08 教育訓練に際して、事前に受講者に動機づけのための一定の準備をさせることで、研修効果を上げることとなる。例えば、研修会でのテーマに関係する課題について考えてきてもらったり、指定の参考書を読んできてもらうなどを行う。

09 研修のエクササイズによっては、図版などの使用に著作権がからむ場合があるため、注意を要する。

10 教育訓練の評価には、①事前的評価、②形成的評価、③総括的評価、④外在的評価の4つの機能が挙げられる。

11 事前的評価とは、研修会の前に、受講者の能力レベルや準備状態など評価して、教材や教授法などを工夫することをいう。

12 形式的評価とは、研修会などの進行中に、随時、受講者の反応などを評価して展開を変更し改善することをいう。

13 総括的評価とは、研修会などの終了時にどの程度学習が進んだか、満足したかの評価をし、今後の研修会の展開や教授法などを改善したりフォローアップの必要性を診断したりすることをいう。

14 外在的評価とは、教育訓練全体を、生産性などの外部指標を用いて客観的に評価し、教育目的、内容、制度などを改善することをいう。

15 一般に、産業カウンセラーがかかわる評価は、総括的評価や形式的評価であるが、事前評価や外在的評価についても提案し、かかわれることがことが望ましい。

16 バークは、「組織開発とは、行動科学の技法、リサーチおよび理論を活用して、組織文化のなかに起こす計画的な変革プロセスである。」とした。

17 「行動科学」とは、人間の行動を科学的実証的に研究し、その法則性を解明し、それを用いて人間社会の不都合さの変革をめざす学問である。

18 行動科学は、心理学、社会学、人類学、精神医学、経営学などの理論や技法を駆使する学際的なアプローチをとる。

19 講義法においては、グループ討議や質問技法などを随時挿入して講義内容の咀嚼を支援する必要もある。

20 サーベイ・フィードバック法とは、もともとは組織開発技法の1つであり、職場の風土、仕事などに関する調査(サーベイ)を行い、その結果を構成員にフィードバックし、そこから職場の問題点や個人の課題などを見出す議論をし改善を図る方法である。

21 サーベイ・フィードバック法の基本は、客観的な調査データに基づいて課題を解決するものである。

22 産業場面におけるロールプレイングは、職場の人間関係など、現実に起こった、あるいは起こりうる問題状況を想定して、それにかかわる複数の人の役を設定し、それを受講者が演じてみる擬似体験を通じてそのような状況に遭遇したときに適切に対応できるように訓練する方法である。

23 心理教育的グループ・ワーク法は、課題解決の終了後に、そのプロセスや結果について振り返りの時間を設け、受講者同士やインストラクターからのフィードバックを通じて自分の思考、価値やその表れである行動の傾向とそれらが他者に与える影響に気づくことをねらう技法である。

24 心理教育的グループ・ワーク法では、受講者同士に否定的批判的にではなく、支持的促進的なフィードバックをさせることも重要となる。

25 近年の働く人を取り巻く変化には、仕事の質の高密度かや仕事量の増加、人間関係の希薄化、マネジメント力の低下、職業意識や働くことについての意識の変化などがあり、職場での働きやすさや働きがいを低下させている。

26 作業環境や作業方法の改善をはじめとする職場のハードウェアの改善が推進されてきたが、同時に、職場での働きやすさと働きがいを担保するには、職場の人間関係、処遇や労働負荷などの心理的、組織的・社会的側面である職場環境のソフト面の快適化が必要となる。

27 快適職場の基本的な考え方は、①事業所や職場のトップが率先して推進方針を明示、②全従業員の参加を求める、③ソフト面についての従業員の主観的評価を出発点とする、④改善策の作成は現場の声に基づく、⑤小集団による活動をするなどとされる。

28 快適職場づくり(ソフト面)の主体は、あくまで当事者である組織のトップや従業員である。

29 快適職場づくり(ソフト面)における産業カウンセラーの役割は、①コンサルテーション、②コーディネーション、③ファシリテーションなどの、側面的な支援である。

30 快適職場づくり(ソフト面)において重要なのは、産業カウンセラーと組織トップや担当者との信頼関係をいかに築くかである。

31 快適職場づくり活動のPDCAサイクルは、1回転で終わりではなく、1つの職場環境問題が改善したら次の問題に移行するので、螺旋的に継続する必要もある。

32 職場環境調査においては、組織・職場の実情に合った独自の調査票を作成することも必要となる。

33 職場環境調査においては、職場環境評価のハード面としての「作業環境」「作業方法」「疲労回復支援施設」「職場生活支援施設」についても視野に入れる必要がある場合もある。

34 職場環境調査の結果、事業者側と従業員側の回答の比較により、領域あるいは項目の平均値にズレがあれば、その領域に問題がある可能性があると分析することができる。

35 職場ミーティングは、職場の全構成員が、職場についてどのように思っているかを共有することがねらいの1つである。

36 職場ミーティングは、職場環境についての具体的な問題点や課題を抽出し、その改善策の立案と実行体制を、当事者である職場の管理者、従業員全員が参加する場で決めることが、そのねらいの1つである。

37 グループ討議のステップは、①問題点・課題を抽出する、②取組課題の改善策の立案、③改善策の実行体制を考える、④改善策を実施した結果の評価をするの各段階に分かれる。


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